開発ストーリー

こどもたちの未来のために、分断のない社会を創りたい。
乳幼児チェア開発ストーリー。

PRODUCT STORY

「ダイバーシティ&インクルージョン」を意識したモノづくり

2020年某月、鳥越樹脂工業ではある商品の開発に、試作、設計から量産までのパートナーとして携わらせていただきました。

それは、障がいの有無にかかわらず、お子様が大切な人たちと過ごす時間をより豊かにし、たくさんの経験や思い出を育むために考案された、家の中でも外出先でも使える、株式会社Halu様の折りたたみ式のキッズチェアです。

自動車分野で培ったノウハウを生かし、製品の軽量化や安全性確保を実現し、短期間での製品化に貢献しました。
この製品を例にとって一つの製品が製品として世に出るまでをストーリー形式でご紹介いたします。

試作・設計

自動車分野で培ったノウハウを生かし、様々な形成方法での試作をご提案。
また、簡易型や簡易製作によって低コストを実現しております。

お客様の想いを、カタチにする。

株式会社Halu様が弊社を初めて訪れた際は、すでにプロダクトデザインは完成しているものの、これまで世の中にない新しいプロダクトを製品化するまでの道筋はまだ見えておらず、開発パートナーを探しておられるという状況でした。「障がいの有無にかかわらず使える、インクルーシブなプロダクトを生み出したい」という創業者の想いに共感し、これまで誰も取り組んだことのない、障がいの有無に関わらず使えて、気軽に持ち運ぶことのできるキッズチェアの開発に、共にチャレンジすることを決めました。

最初に行ったのは、完成していたデザインをもとにした試作品の制作。全く新しいプロダクトを作る上では、どこにどんな課題があるのか、誰にもわかりません。まずは、試作品を作って、実際に動かしながら検証してみることで、コンピューターのソフト上での検討だけでは見えてこない課題を発見できると考えました。

完成した試作品を用いて、対象年齢のお子様のいるご家族に集まっていただき、ユーザーテストを実施。子ども達が座る際の姿勢だけではなく、ご家族が持ち運んだり、設置をしたりする際のユーザービリティにも注意しながら検証を行い、それまで気づかなかった多くの改善点が見つかりました。

自動車分野で培ったノウハウを活かし、スピード感を持って、低コストでの様々な試作をご提案することで、量産までの最短ルートを実現します。

多くのこどもたちに製品が届くように。
知恵を絞って実現した、コストダウンと軽量化。

試作品で見つかった課題や改善点をもとに、次は量産に向けた設計のフェーズへと入りました。

開発チームがプロダクトのポジションとして目指していたのは、補助金が適用される「障がい児専用の福祉機器」ではなく、肢体不自由のある障がい児でも使える機能を備え、かつ誰でも購入が可能な「一般消費者向けの量産品」。そのため、一般消費者に対しても現実的な商品価格を目指す必要がありました。

もう一つの大きなチャレンジは、軽量化。子育て中のお母さん達が「ポータブルチェア」として無理なく持ち運べる重量を確かめるために、製品と同じサイズの箱に500mlの水のペットボトルを入れてユーザーたちに肩がけしてもらい、何本までなら問題なく歩けるかを検証するユーザーテストを行いました。結果として導き出された目標値は、3kg。それには当初の想定値より1kgも軽くする必要があったのです。

コストダウンと軽量化、その2つの目標達成のため、必要な機能や安全性は確保したまま、一つ一つの機構をシンプルなメカニズムに置き換え、部品点数を減らすという地道な努力を続けました。その結果、コストの半減と1kgの軽量化に成功し、量産に向けた設計が完成。
お客様の想いに寄り添って、目標実現までやり切る技術力とチームメンバーの情熱が、私たちの強みです。

量産体制

寸法精度を要求される部品の設計・試作・量産・物流までを
一貫して提供しています。

多くのこどもたちに製品が届くように。
知恵を絞って実現した、コストダウンと軽量化

開発チームがプロダクトのポジションとして目指していたのは、肢体不自由のある障がい児でも使える機能を備えた、「一般消費者向けの量産品」。

そのため、現実的な商品価格を目指すため、品質は落とさずに一つ一つの機構をシンプルなメカニズムに置き換え、部品点数を減らすという地道な努力を続けました。

そして、自動車部品製造分野で培った技術と生産ラインで製品の低コスト化を実現。
軽量かつ頑丈な製品とする為、補強部材の「リブ」を採用し重量は女性でも持ち運べる軽量さが求められる為、約3㎏としました。

品質保証

より安心して製品をご使用して頂くため、
製品の管理を徹底し、品質向上に努めています。

子どもたちとご家族に、確かな安全をお届けするために。
ご家族全員が安心して利用してほしい。

鳥越樹脂工業にて制作する検具や治具、および三次元測定器を用いて製品を検査、測定し、検査基準書に基づき製品を保証します。

チェック過程で発見された不良品については、徹底した原因究明により再発防止に努めるとともに、ノウハウ蓄積・マニュアルへの組み入れ等品質技術力の向上を図っています。